はじからはじまで腕いっぱいに伸ばしてみる。

確かに掴んだ筈なのに何も手に入れていない。
夜、電車に乗ると先に出た筈のこの車両を後発の車両が追い越して行く。
先を見ようと目を凝らすけどいまこの瞬間しか映らず、それらもすぐに過ぎ去って行く。
期待と失望の連続は日常への回帰で、いつも何かであろうとすれどその形は掴めず、
すぐそばにいた知人は今日は別の場所にいる。
併走していた筈の電車も少しずつ進路を変えて過ぎ去り、
その窓々には顔色もわからぬ人たちが額を押しつける。



2012年10月19日(金)~28日(日)
三鷹市芸術文化センター 星のホール

作:フジノサツコ
演出:森新太郎
美術/伊藤雅子
照明:佐々木真喜子(ファクター)
音響:中村光彩
衣裳:西原梨恵
舞台監督:大島明子(演劇集団円)
グラフィックデザイン:坂本志保
舞台撮影(写真):小尾幸春
制作:長瀬知子・蒲生みずき

出演:熊坂理恵子 / 内田悠一 / 林竜三 / アワヤ鮎美 / 平田耕太郎 / 長野尚以 / 辻村優子 / 日向野敦子 / 長瀬知子

MITAKA“Next”Selection 13 参加公演

主催:(公財)三鷹市芸術文化振興財団
平成24年度(第67回)文化庁芸術祭参加公演

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