とある病院の入院病棟。今日も看護師の千葉は、見舞い客からのクレームや同僚看護師の不手際などに振り回されている。
そんな彼女に「なぜ私は退院できないのか」と強くすがりつく一人の入院患者・・・
病棟内に充満する不安・怒り・孤独が、そのはけ口を求めて複雑に絡み合い、姿を変えていく。
入院患者はひとりも登場しない。そして声のみが・・・

次にやられるのは自分かもしれない。
だから、よく観察しなくてはいけない。
正常に答えられるのは断片だけで、しかもそれらの断片すら細切れの情報を集めたにすぎない。
間違った集合はひとときの幸福、膨らむ期待は柔らかな鉄に敷かれやがて消え去る。
次にやられるのは自分かもしれない。
だから、今は観察しよう。
できるだけ多くを理解し、できるだけ多くを回避するために。



2011年1月12日(水)~16日(日)
下北沢OFF・OFFシアター

作:フジノサツコ
演出:森新太郎
照明:佐々木真喜子(ファクター)
音響:砂川和範
衣裳:Koco
グラフィックデザイン:やまねまい
舞台撮影(写真):小尾幸春

出演:清田智彦 / 関 洋甫 / 佐治 静 / アワヤ鮎美 / 長野尚以 / 青木 花 / 長瀬知子

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